ドイツに大きく遅れた日本


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G7を前に、各大臣会合が各地で開催されている。

私たちが注目した環境大臣会合も、これといった成果が見られず、G7会合の意味そのものが問われる。それでも、後日ドイツの環境大臣が、「電力供給制度の改革はいずれ必要になる。原発の稼働延長は変革の遅れにつながる」「力を入れるべきは再生可能エネルギー。風力や地熱などの活用の条件は、日本はドイツよりよほどいい」と、指摘したことが伝えられた。

私は、環境先進国であり、環境教育、原発や再エネへの率先した取組みを進めているドイツが大好きで、これまで幾度も訪問している。環境だけでなく、地味だが堅実なところ、論理的思考を重んじるところ、音楽家も多数輩出し、自然も美しい。メルケルさんも好きだ。

第二次大戦の忌まわしい思い出もあるが、それでも過去の反省の上に立った戦後の復興は、見習うべきことも多いように思う。

そして、昨今の気候変動を見据えたドイツのエネルギー政策は、2030年には温室効果ガスを1990年比で55%削減、電力消費に占める再エネ比率を50%、2050年には温室効果ガスを80-95%削減、再エネ比率を80%、とする高い目標を掲げている。(グローバルネット「ドイツのエネルギー転換」松下和夫氏 参照)

環境政策に限らず、財務大臣会合では、ドイツ連邦銀行総裁は、「やるべきは短期的に景気刺激策より構造改革」と述べ、日本が提案する財政出動に反対意見を述べたという。

将来を見据え、本来やるべき事を確実に実施していくそのお国柄、日本もかつてはそうだったように思うのだが、いつの間に、こんなに差をつけられてしまったのか。
昨今の政治家のていたらく、企業の不祥事、投票率の低さ、そんなことから、差をつけられた理由が見えてくる気がする。

出典:http://jaes21.exblog.jp/m2016-05-01/

この記事の著者
藤村コノヱ

藤村コノヱ

NPO法人環境文明21の設立に関わり、平成20年より共同代表として、環境・経済・人間社会のバランスの取れた環境文明社会の構築にむけて、環境倫理の普及、消費やグリーン経済のあり方、NGOのあり方等について研究を進めつつ活動を展開している。特に平成15年に成立した環境教育推進法の立法化に向けては、推進協議会事務局長として先頭に立って活動し、また同法の改正にも積極的に関与してきた。現在は主に、「日本の持続性の知恵」の普及、企業向けの環境教育活動、「持続可能な環境文明社会」の探求のための研究活動を行い、政策提言活動も行っている。さらに環境NPOの連合組織の立ち上げを進めている。

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