信頼性に合わせれば 基底負荷は無関係だ。需要変化に合わせて電力共有を行うことが求められる。再生可能エネルギーの組み合わせで実現できる。これはカリフォルニアの実例だ。風力と太陽光のデータと、そして既存の水力発電を利用すれば、時間ごとの需要に供給可能だ。これは世界の風力資源。世界には我々が必要とするより5~10倍の風力資源が存在する。以上をランキングとしてまとめた。
最後に見せたいのは風力か原子力か選ぶとして。風力を選ぶと氷は残る。原子力を選ぶと北極が溶ける。綺麗な青い空か原子力による不確定な未来だ。
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クリス:わかった。それではそれぞれのゲストに答弁を考えてもらう間に、客席からも2人ずつ意見を。原子力に賛成の人は両手を挙げてください。反対の人は片手を。2人ずつにマイクを渡してください。それでは答弁ですが、お互い1分の間に相手への異議を唱えてください。何でもかまいません。
スチュワート:主張が異なる所は、武器とエネルギーに関するところだ。これらのスライドには原子力が沢山の温室効果ガスを排出するとある。良く原子力と戦争を連想させたがるが、これはある種少し巧妙だと思う。現実には21カ国に原子力があり、うち7カ国が核兵器を保有している。これらどの国でも原子力より以前に核兵器を保有していた。北朝鮮とイスラエルの2カ国は核兵器を保有しているが、原子力を1つも持っていない。クリーンなエネルギーを最も必要としている国、例えば中国・インド・欧州・北米などは核兵器との関係の問題を解決している。そうなると残るはイランやベネズエラなどの国で核分裂などの査察などを細かく行うのが好ましい。原子力を推進するということは、核管理を徹底することである。それを皆が理解することが兵器問題と共に我々が前進することに繋がる。
クリス:ではマーク、30秒で何か言いたいことを。
マーク:インドとパキスタンは原子力を建設し、その設備で核兵器を水面下に開発していたこと事実だ。そもそも我々は原子力を必要としていない。太陽の光や風が十分にある。図で示したように 十分実用に耐えうる。実際のデータが示している。これは進行中の研究であり、宇宙開発などとは違う。再生可能なエネルギーを活用すれば、世界が抱える問題を解決できる。原子力は全く必要無いのだ。
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クリス:では賛成の人。
私はロッド・ベックストームです。ICANNのCEOです。私は1994年から地球温暖化の政策に関わっています。この問題は環境防衛基金の役員になったとき、京都議定書の1つの成果でした。私はスチュワートの意見に賛成です。この10年で意見が変わりました。以前は原子力反対派でしたが、今ではスチュワートの意見を支持します。特にリスク管理の観点から。温暖化のリスクは、原子力事故のリスクを上回ると思います。実際あり得ることであり、現実の問題です。しかし双方が納得できる解決策があります。この討論を双方が勝つ方法です。今私たちはこの惑星がCO2の上限に達すれば絶滅という危機に立っています。米国上院では、温暖化対策法案の通過に党を超えた賛成票が必要ですが、あと1、2票足りません。我々は手を貸せると思います。法案さえ通せれば マークが問題を解決してくれるでしょう。
クリス:ありがとうロッドさん、では反対派を。
私はデイビッド・ファントンです。ひとこと言わせてください。まずプロパガンダを意識すべきです。業界からのプロパガンダはこれまでも非常に強力で、我々は反対サイドの意見をちゃんと知らされてないのです。人々は勝手な解釈をします。プロパガンダを意識すべきです。次に考えみてください。原子力発電所から排出される全ての排出物は、かなり沢山のトラックや電車で毎日運搬されますが、交通事故が起こらないとも限りません。百年も千年も毒性が続く物質が、交通事故により生活環境に放出されないと限りません。毎日走っているそれらのトラックや電車がテロリストの格好の標的になり得ると思います。
クリス:ありがとう、賛成派は、誰かいますか?
アレックスと申します。私は再生可能エネルギーの大ファンで、家の屋根には太陽発電を。私が所有する水車では水力発電を行ってます。この様に再生可能エネルギーに賛成ですが、基本的な計算上の問題があると思っています。日照時間や風量や降水量などを全て足し合わせても十分ではありません。従って電気を絶やさない為にはどんな時でも発電し続けられるような解決策が必要です。80年代には核兵器反対運動を行いました。今でも行っています。しかし現在ではその核兵器を再利用し、発電に利用することが可能です。そうすればこの計算問題も解決します。再生可能エネルギーのみでは十分な供給ができないのです。我々は常に発電できる解決策が必要です。常に電気を絶やさない為には、原子力がその解決策です。
クリス:ありがとう、他の反対派は?
先ほどの意見で再生可能エネルギーの資源が十分ではないとありましたが、既にステージで十分であることを証明してくれました。よって資源が足りず、必要な電気を十分に供給できないという推論は誤ってます。さらに1つ言えることは、レイ・カーツワイルなどが主張するように、技術は飛躍的に進歩している。現在の再生可能エネルギーだけを見て、「これじゃ難しい」とは言えません。なぜなら5年後には原子力に代わる代替手段が沢山あるでしょうから。
クリス:よくわかりました ありがとう
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ではそれぞれ手短に、30秒で最後の言葉をどうぞ。スチュワートから。
スチュワート: 君が見せてくれた「全てのつじつまが合う」図が好きだ。昼は天気が良く 夜は風が強いやつ。英国では今異常な寒さが続いている。全ての領土内で風が1週間吹いていない。これらが1つも起きていないのだ。結局フランスから原子力エネルギーを買った英仏海峡トンネルを通じ、2ギガワット。これは繰り返し起きている。私も以前は排出物の長期保管を気にしたが、次世代の原子力発電では、放射性破棄物を発電燃料として利用できる。そして小型原子炉は特に期待している。ネイサン・ミアボルドが言っていたが、私は原子力規制委員会が小型原子炉を推進できるように国会に働きかけるつもりだ。これは米国だけでなく世界で必要とされる。
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マーク:私たちは1時間毎に需要と供給を、太陽光と風力のカリフォルニアのデータを分析した。そしてほぼ1年を通して需要を満たせることがわかった。資源に関しては、我々は初めて風の世界地図を作成した高さ80mで計測した。資源のことは既に判明しており、15%はカバーできる。米国全体の15%はコストに見合うだけの風速が得られる。太陽光よりも風のほうが豊富である。余る程の資源があり信頼性が高い。
クリス:OK ありがとう マーク(拍手)パームスプリングスに居る方は~(笑い)(拍手)恥知らず(拍手)
TEDコミュニティの方々、それでは、世界は今原子力は必要か?賛成の方手を挙げて下さい(歓声)反対の方、へぇ、なるほど・・・ではこの討論によって気が変わった人は手を挙げて下さい。考えが変わった方の中で賛成する人手を挙げて下さい。なるほど、結果としては両者共に支持されていますが、私が数えた限りでは観衆の皆さんは、賛成75 反対25から 賛成65 反対35に 変化したようです。
両者勝利ですね 二人ともおめでとう。ありがとうございました。
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