行動するバイオミミクリー – ジャニン・ベニュス(TED書き起こし) 2/2


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建築用ブロックとしての二酸化炭素生物は二酸化炭素を毒とは思っていません。植物や、殻を作る生物、珊瑚はそれを建築素材と見なしています。合衆国に、クララという名のセメント製造会社ができています。彼らは珊瑚礁からレシピを借りています。そして二酸化炭素を建築ブロックに使用し、セメントやコンクリートにしています。反対に、セメントは通常は、1トンのセメントから1トンの二酸化炭素を放出します。今やその方程式は逆転し、2分の1トンの二酸化炭素を分離固定しているのです。珊瑚からのレシピのおかげです。

 

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これには生物を使いません。生物から得た青写真あるいはレシピを使用するだけです。自然はどうやって太陽エネルギーを集めるか?これは、葉っぱの機能に基づいた新型の太陽電池です。自動組み立て式です。どんな材料にも定着できます。非常に安価で、5年ごとに再充電できます。これは、実は私が、ポール・ホーケンと共に係わっているOneSunという会社です。

 

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自然界には水から塩をろ過する方法が沢山あります。我々は加圧によって水を膜に押し当てます。そして、なぜ膜がそんなに詰まるのか、なぜそんなに電力を食うのかと不思議に思うのです。自然はもっとずっと優美に行います。それは全ての細胞にあります。あなたの身体の全ての赤血球には、こういう砂時計形の孔があり、アクアポリンと呼ばれます。それは水を通過させます。「前進浸透」の一種です。水分子を通過させ、溶質を反対側に残します。アクアポリンという会社が、この技術を真似た脱塩膜を作り始めています。

 

木や骨は、ストレスの方向にしたがって、常に自分を組み替えています。現在では、このアルゴリズムが、橋を軽量化するためのソフトウェアに用いられ、橋脚を軽量化しています。GMオペルはこれを用いてこういう骨格を作り、バイオニックカーと呼ばれています。それは骨格を最小量の素材で作り、―それは生物の必須条件ですが―最大限の強度を確保しています。

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この甲虫は、こちらの木材チップと違ってただ一つの素材、キチン質を利用します。そしてそれにたくさんの機能を与える方法を見つけています。それは防水で、強く、弾力性で、呼吸可能です。構造から色を生み出します。木材チップはこういう機能を持つのに7層を必要とします。我々がこのような生物にいくらかでも近くづくために発明しなくてはならないのは、素材を最小量だけ、最小種類だけ使い、 それにデザインを加える方法を見つけることです。自然界では、ここに示すことをするのに5種類のポリマーを使いますが、人間界では、そのためには350種類のポリマーが必要です。

 

自然は微細です。ナノテクノロジー、ナノ粒子、などに多くの懸念を耳にします。野放しのナノ粒子、とても興味を惹かれるのですが、こう聞く人があまりいないのです。「ナノテクを安全にするには自然にどう尋ねたら良いのか?」と。自然界はそれを長いことやってきました。たとえばナノ粒子を常にモノに定着させています。硫酸還元菌は、その合成過程で、副産物として、水中にナノ粒子を放出しています。しかしその直後に、細菌は、そのナノ粒子を集めて凝集させるタンパク質も放出しているのです。それが溶液から分離されるようにです。

 

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エネルギー利用生物はエネルギーをちびちびと使います。自分が得る全てのものと交換制だからです。現在ここで最大の分野は、エネルギーグリッドです。スマートグリッドって聞いたことがあるでしょ?社会性昆虫から学べることが沢山あります。「群知能技術」です。レージェンという会社があります。彼らは、アリやハチがどうやって巣全体として、最も効率的に食料や花を見つけているかを調べています。そして彼らは、そのアリゴリズムで互いに会話し、家庭のピーク使用電力を最小限におさえる電気器具を開発しました。

 

コーネル大学の科学者グループは「合成木」と呼ばれるものを開発しています。彼らは言います「木の底部にはポンプがないんだ」と。毛細管現象と蒸散により、水を一滴づつ汲み上げ、持ち上げ、葉から放出してはまた根から汲み上げていますそして彼らは―一種の壁紙と思って下さい―を作っています。これをビルの内壁に貼り、ポンプ無しで水を汲み上げるつもりです。

 

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アマゾンデンキウナギは絶滅が非常に危惧される種族のひとつで、体内の化学物質により600ボルトの電圧を発生します。そのことでさらに面白いのは600ボルトでも彼らは焼け死なないのです。ポリ塩化ビニル(PVC)をご存知ですね。電線を絶縁するのに使います。こういう生物は、どうやって自分の出す電気から絶縁しているのでしょうか?まだとり上げていない疑問があります。

 

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これは鯨を参考にした風力発電タービンのメーカーです。ザトウクジラのヒレは、縁が波打っています。そしてこの波形が、水流に対する抵抗が、32%減るように作用しています。結果として、このタービンは、極端に遅い風速でも回るのです。

 

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MITが、つい最近、非常に少ない電力で動作する無線チップを開発しました。それはあなたの耳の蝸牛装置を基にしていて、インターネット、無線、テレビ信号,ラジオ信号などを全て一つで処理できます。最後にエコシステム規模の話ですが、

 

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私のコンサル会社バイオミミクリーギルドでは、HOK建設と共同で街全体の建設を計画部門から見ています。私たちが言いたいのは、私達の街は、生態系の役割において街自体が置き換える自然のシステムと、少なくとも同等のサービスを提供すべきではないでしょうか?そこで我々は「エコロジー機能標準」というものを作成し、街にこのより高い水準に合わせてもらうのです。

 

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問題は―バイオミミクリーは、信じられないくらい強力なイノベーションだということです。問いたい問題は「解決に値する問題はなにか?」です。これをご覧になったことがなければ、とても面白いですよ、アダム・ニーマン博士。これは、地球上の全ての水と地球の体積との比較を描写したものです。全ての氷、全ての真水、全ての海水です。そして、地球の体積と我々が呼吸できる全ての大気の比較です。この球体の中身が、38億年にわたり、生命が生きられる豊かな環境をつくりあげたのです。

 

そして我々は、この惑星に現れた長い長い、生命の流れの中にあり、そして自問するのです。「この長い流れの中で、どうやって優美に行きていけるのか?」と、どうやれば、生命の法則に従っていけるか。それは生命が受け継がれる環境を整えることです。そして今それをなすために、我々の世紀のデザインの挑戦として、このような天才たちを思い出し、再び彼らと会う必要があるのです。

 

その中の一つの大きなアイデア、大きなプロジェクトに私はかかわることができ、それはウェブサイトで、皆さんにもそこを見てもらいたいのです。AskNature.orgといいます。そこで行っているのは、TED的なやり方で、全ての生物学上の情報を、デザインと工学機能の観点で系統立てることです。

 

我々はエド·ウィルソンのTEDの願いである、百科事典Life(EOL)と協同作業しています。彼はそのウェブサイトに、全ての生物学の情報を集めようとしています。そしてEOLに貢献している科学者たちが、質問に答えています。「この生物から何を学ぶことができるか?」その情報はAskNature.orgへもたらされるのです。そして世界のあらゆる場所の全ての発明家が創作の過程で「自然はどうやって水と塩を分けているのか?」とタイプできることを期待します。そうするとマングローブと、ウミガメと、あなたの腎臓が表示される。

 

そして我々はコディがしたように、このような、我々よりもはるかに長くこの地球にいる先達の信じられないようなモデルとつながることができるようになるのです。そして、望むらくは、彼らの助けを借りて、この地球、私たちの住処であり、しかも私たちだけのものでもない地球で生きる術を学ぶのです。どうもありがとう。

 

(拍手)

 

※1セルロース=炭水化物

 

 

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