みなさま 明日香です。ご参考情報です(けっこうおすすめだと自分では思います)。
ドイツのポツダム気候研究所の研究者らがCOP21の合意内容を予測し、結果と比較して予測の精度や方法論を検証するという壮大な研究プロジェクトを実施しています(下記論文)。単純に言えば、各国の各争点に関するポジションを条約事務局へのサブミッションなどで把握し、専門家に予想される合意結果に関するアンケート調査をし、それらを数理モデルを使って分析するというものです。
ゲーム理論に基づいた数理モデル自体は様々な交渉結果の予測にすでに使われている普遍的なもののようです。方法論やモデルについての詳細はよくわからないのですが、ペーパーを読むと、少なくとも何が争点になっていて、それに対する各国のポジションはどうなっているのかが具体的に把握できます(特に論文3がおすすめ)。
また、その結論(サマリー、論文1。どの争点がCOP21で合意されて、どの争点がCOP21以降に合意が持ち越されるかなども予測しています)や専門家の見方(論文2)も、そんなものなのかなと何となく納得するものです。
論文1(予測結果): Predicting Paris: Forecasting the Outcomes of UNFCCC COP-21 With the Predictioneer’s Game
予測結果を見て思うところはいろいろあると思います。少なくとも「成功」や「失敗」という単純な二分法では評価しにくいものだということを認識すると思います。つくづく難しい交渉であり、難しい世の中なのだと思います。