みなさま お世話になります。明日香です。
今、パリがどんな感じかについていろいろな意味でご興味が有る方も多いかと思うので、街や交渉の様子を少しずつシェアいたします(パリ自体はいつものような活気を取り戻しつつある感じです)。
下記は、月曜日(30日)に見た新聞とテレビとCAN Internationalのプレスリリースに関してです。
新聞は、ほぼすべてが一面からCOP特集でした(一面だけではなくて四面から六面までCOP関連でした)。Le Parisienの見出しは「パリが息を吹き返した」、la Croix紙は「合意への希望」で、どっちかというポジティブなものでした。
一方、Liberation紙は「COP or Flop(失敗する)?」、Opinion紙は「COP:7つの重要事項」という感じで少し冷静に成功するための条件を提示していました。一番固い感じのLe Monde紙の大見出しは「先進国は途上国にお金を払う準備ができてるか?」という極めてクールなものでした。
オランド大統領の会議場でのオープニング・スピーチはなかなかだったと思います。排出がより少ない途上国がより大きな被害を受けるという不公平に触れて、Climate Justiceという言葉を使って、気候変動の悪影響が水を求めての争いや難民を生み、その意味で気候変動問題は「平和の問題」だと明言してました。
COP成功の条件として、1)長期目標(1.5度にも言及)と見直しのメカニズム(5年サイクル)、2)歴史的責任などを考慮した差異化、少なくとも1000億ドル以上の資金援助、3)考え方の変革、炭素価格、投資先の転換、などかなり具体的な話をしてました。
「高い目標を持って達成できない方が低い目標を持って単に達成するよりも良い」とも述べて、それをUNFCCC事務局長のフィゲーレスがツイートしてました。資金に関してはファビウス外相も「1000億ドルは底値」と言ってました。
CAN Internationalのオープニングのプレスリリースも聞きました。交渉における4つの焦点として、1)2020年までの資金援助の内訳(アフリカ諸国が要求する適応への資金の割合を現在の16%から32%に上昇できるか。これはEU、USの対応次第)、2)Loss and Damage(USが先進国を代表してブロック)、3)Post 2020の資金援助に関しては中進国が少しだけでも負担することを表明すれば先進国は具体的な数字を出さざるをえなくなる(その意味で、シンガポール、韓国、ブラジルが鍵を握る)、4)数値目標(長期の石炭フェーズアウトや再生可能エネ:インドがブロックしているとみられているが、資金援助がクリアになればインドも強く反対しないのではと推測)、というコメントしていました(OxfamのTim Gore)。
最後のはよくわかりませんが、そんなものなのかもしれません。 とりいそぎ