地球・自然, 大気
2015.09.08

行動するバイオミミクリー – ジャニン・ベニュス(TED書き起こし) 1/2


 

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もし私が、なにか隠されているものを明らかにするとしたら、少なくとも現代文化においては、それは、我々がかつて、自分の名前のように良く知っていたのに、忘れてしまったものを明らかにするようなものでしょう。そしてそれは、私たちが高性能な世界、素晴らしい星に住んでいるという事でしょう。自分たちが天才に囲まれているという事です。

 

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午前0時42分「バイオミミクリー(生物模倣技術)」は、新しい分野で、このような天才から学びそこからデザインのアドバイスを得ることです。ここが私の住んでいるところです。大学もここにあります。私は天才に囲まれています。私は、この惑星に優雅に暮らす方法を知っている生物やエコシステムのことを思い出さずにはいられません。もしそれを忘れるようなことがあればこれを思い出して下さい。これを毎年これが起きます。自然は約束を守ります。我々が救済対策に追われている間に、これが起きました。

 

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春を設計することを想像してみて下さい。その指揮を想像してみて下さい。TEDを運営するのは大変だと思うでしょう(笑)そうよね?想像してみてそしてこれをしばらくやっていないなら、やってみて、タイミングや協調のしかたを想像してみて下さい。このすべてが、トップダウンの法律や、政治や、気候変動に関する議定書なしにこれが毎年起こるのです。数々のショーがあり、空には愛が満ちあふれる様々なものが花開きます。約束しますが、生物たちはみな優先順位を正しく守るのです。

 

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私にこのことをいつも思い出させる隣の子どもがいます。彼はたいてい仰向け寝転がり、それらの草を見上げながら過ごします。あるとき彼がやってきてその頃彼は、7歳か8歳でした。私の家の、ドアのすぐ前にはスズメバチの巣があって、成長するに任せていました。たいていの人は小さいうちにそれをたたき落とします。

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でも私にはそれが魅力的でした。なぜならこういう感じのイタリア製の綺麗な本の見返しを見たことがあったからです。そして彼がやってきてノックしました。彼は毎日何かを見せにやって来るんです。そして私がドアを開けるまで、キツツキの様にノックし続けるのです。彼が言いました「どうやってこんな蜂の巣を作ったの?」と、彼はそういうものを見たことがなかったんです。私は言いました「コディ、 これはハチが作ったのよ」そして一緒にそれを眺めました。そして彼がなぜそう思ったかわかりました。なぜって、それはとても綺麗にできていたからです。それは建築的で、精確でした。

 

でも私は思いました:こんな小さな子供がどうして、もし何か綺麗なものがあると、それは我々が作った、という俗説を信じているのだろう、と。なぜ彼は造ることを始めたのは私達が最初ではないという、私達が皆忘れてしまったことを知らないできたのだろう。セルロースの処理を始めたのは我々ではありません。初めて紙を作ったのは我々ではありません。我々が初めて空間を最適化したのではないし、防水で、暖かく、かつ涼しい構造を作ったのではないのです。私たちは初めて、若い世代のために家を造ったのではない。

 

今、「バイオミミクリー」と呼ばれる分野では、人々が他の生物、自然界の他の生物が、我々がする必要があることと非常によく似たことを行っているのを思い出しているのです。実際のところ、他の生物たちはこの惑星で、何十億年も生きられる上品なやり方でそれを実現しているのです。だから、バイオミミクリー技術者たちは自然の見習い徒弟なのです。彼らは機能に注目しています。ここでお見せするのは、彼らが学んだことのいくつかです。彼らは自問しています「何かを発明する時に『自然はどうしているか?』と聞いてみるのはどうだろう」と。

 

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彼らが学んだことをお見せします。これはチェコの写真家、ジャック・ヘドリーの素晴らしい写真です。これはJR西日本の技術者の話です。新幹線を作った人たちです。以前はこれは「弾丸列車」と呼ばれていました。先端が弾丸型からです。しかし、これはトンネルに入るたびに圧力波を生み出し、トンネルを出る時に衝撃波を発生させていました。そこで技術者のリーダーは言いました。「もっと静かになる方法を見つけなくては」と。

 

彼はたまたま、野鳥観察が好きでした。彼はアメリカのオーデュボンソサエティのような(国内の)団体に行きました。彼は研究し、そこにはカワセミの映像がありました。彼は思いました「カワセミはある密度の媒質である空気から、違った密度の媒質の水へ飛び込むことが、水しぶきをあげないことが映像からわかる、水しぶきがないから魚がよく見えている」そして思いました「これをやってみたらどうだろう?」それで列車が静かになりました。速度が10%向上し、電力が15%削減されました。

 

自然はどうやって細菌を排除するのか?細菌から身を守る必要があったのは、我々が最初ではありません。実は—これはガラパゴスザメです。その鮫は表面に細菌がおらず、いやな臭いもせず、フジツボも付着しません。速く泳ぐからではありません。のんびりとした、ゆっくり泳ぐ鮫です。ではどうやって細菌が増殖しない体になっているのでしょう。化学物質によるのではありません。実は、ある種の歯のような突起がそうしているのです。オリンピックで非常に多くの記録を更新したSpeedo社の水着にあるようなものです。

 

それは特殊なパターンをしています。その突起のパターンの建築的構造が細菌が付着しないようにしているのです。シャークレットテクノロジーという会社があって、病院の壁にこのようなパターンを配置し、細菌がつかないようにしています。その方が、今や多くの細菌が耐性を持つようになっている抗菌剤や、強力な洗剤で洗い流すよりも効果的です。合衆国では、毎年10万人が院内感染で死亡していて、それはエイズ、がん、自動車事故を合わせたよりも数が多いのです。

 

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これはナミビア砂漠に住む生物です。飲めるような新鮮な水はありません。でもこの生物は霧からの水を飲みます。鞘羽の後ろにでこぼこした突起があり、それが水に対する磁石のように働きます。好水性の突起があり、側面はすべすべしています。霧が発生すると、それは先端に結露し、側面を滑り落ちてこの生物の口に入るのです。オックスフォード大学にはこれを研究しているアンドリュー・パーカーがいます。そしてグリムショーのような動力学を取り入れた建築会社はこれでビル壁をコーティングして、霧から水を集める手段として考え始めています。霧採取用ネットより10倍すぐれています。

 

 

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