エコアクション21取得事業者における環境経営<第1回>


新日本カレンダー(株)三田工場の全員参加による改善活動

 

企業の概要

●会社設立:1922年
●売上高:約96億円
●従業員数:約200名
●拠点:大阪本社・東京支店・九州支店・名古屋支店・三田工場・丸亀工場・鹿児島配送センター・北関東カレンダー物流センター
●事業内容:カレンダー製造、団扇製造、ペット商品通信販売(2014年時点)

 

 

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https://www.nkcalendar.co.jp/

 

筆者:ECOLOGライター(宇田 吉明)
(この記事は弊社発行媒体「環境パートナーズ(2014年4月号)」より再編集して掲載しています。)

 

三田工場の概要

従業員数:126名延べ床面積:17、054m²

 

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www.nkcalendar.co.jp

 

認証取得のきっかけ
アスクル(株)のサプライチェーンのグリーン化に賛同し、2006年度のアスクル主催の関係企業グリーン化プログラムに参加して、三田工場を対象として認証取得し、その後、全社に拡大しました。

 

認証取得で苦労した点
三田工場で取得するに当たり、4回の集合研修に出席されましたが、サンプルをもとに必要な文書類を作成するため、データを集める苦労はあったものの、書類作りはそれほど苦労せずにできたとのこと。

ガイドラインが2009年版に改訂され、全社に拡大するに当たり、全社一つとするか生産系とオフィス系に分けて認証取得するか迷ったそうです。分けることでそれぞれの特徴を出した取組みになると考え、あえて分けて取得したことが結果的によかったとのことです。

 

効果的な推進体制をめざして
各テーマ(目標)を推進するために各職場から選出されたメンバーによる5つのプロジェクトを設置しています。プロジェクト会合は毎月1回開催され、進行状況や課題などを話し合うことにより確実なPDCAが回るしくみとなっています。

 

全員参加とするために
全員参加の取組みとするために三田工場では、毎年全員が参加する活動発表会を開催しています。発表会では、責任者から今年度活動テーマの発表、事務局から前年度活動実績・今年度目標数値の発表、プロジェクトA~Eチームから活動結果・予定の発表を行います。この発表会には他の事業所も招待することで、成果の普及や今後の取組みを深めることにつながっています。

 

一人ひとりの意識向上に向けて
全従業員が個人目標を書き、これを掲示板に貼り付けることでモチベーションの維持向上を図っています。また、商工会議所が実施している「エコ検定」にも全社上げてチャレンジしています。三田工場では、これまでに従業員の約4割が合格しています。これも環境意識の向上に大きく貢献しています。

 

周知活動活動を促進するためには
PDCAの見える化が大切と考え、各階に環境掲示板を設置しています。環境方針、環境目標・活動計画、実績等がわかるようになっていま す。物事を進めるに当たって、実施した結果がどのようになっているかを知ることが次の取組みにつながるので、たいへん重要なことと思われます。

 

二酸化炭素削減への取組み
省エネプロジェクトが中心となって、日常の節電運動を展開しています。また、投資を伴う改善も計画的に実施し、これまでに蛍光灯点灯パターンの変更、最上階屋根裏全面断熱施工、エアコン設備の更新等実施し、5年間で二酸化炭素排出量を約40%削減をしています。

 

廃棄物削減への取組み
カレンダーを需要予測で生産するものの、どうしても余りが発生します。不要になったカレンダーの残紙から作られた再生紙カレンダーの製造も行っています。納入資材などの梱包用廃プラスチックについては徹底的な分別とリサイクル先の開拓により産業廃棄物量は5年間で約60%削減しています。

 

環境配慮製品への取組み
環境対応製品にも積極的に取り組んでおり、カーボン・オフセット製品や再生紙、無塩素漂白再生紙、植林木、森林認証材、間伐材を利用した製品を製造しています。

 

審査人から一言
新日本カレンダー(株)の事例はエコアクション21環境経営システムを上手く使いこなしている好事例といえます。とくに全員参加にこだわり、5つのプロジェクト活動を中心に改善・提案活動に取り組み、全体発表会を開催するなど組織の活性化につながっています。

これらの活動により、基準年度比で二酸化炭素排出量-39%、廃棄物排出量-60%、水使用量-56%と素晴らしい成果を上げ、コストダウンにも大きく貢献しています。さらに環境対応製品の開発にも力を入れ、新たな需要の掘り起こしに取り組まれています。環境経営で一層の発展を期待しています。

 

 

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