本当に知ってる?PM2.5の基礎知識①


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こんにちは。ECOLOG編集部です。先日はオゾン層対策に関する記事を書きましたが、今回もよく耳にするけど、イマイチよくわかっていない、PM2.5についてお話しようと思います。先ずは編集部で作成した動画を見ていただき、次に編集部に届いた9つの質問にお答えする形で進めていきます。

 

まずは「2分でわかるPM2.5」動画を見てみましょう

 

 

いかがでしょうか?幅広く見ていただくために専門性は除いていますが、PM2.5について知っていただけたかと思います。以下Q&Aをもとにくわしく見ていきましょう。

 

Q1、PM2.5はスモッグ?北京マラソン時に濃霧に包まれた街をテレビで見ましたが、あの霧がPM2.5?

 

A、PM2.5とスモッグは違います。

 

最初にスモッグとPM2.5の違いについて簡単に説明します。まずはスモッグとはですが、Scmoke(煙)とFog(霧)を合成した混成語で、煤煙と硫黄酸化物を中心とする微粒子と大気中の霧が混じり、見通し(視程と言います。)が極端に悪くなった状態を意味しています。歴史的にはロンドンスモッグなどが有名で、呼吸器疾患などの健康被害が発生しました。北京のスモッグもこれに類するものと言えるでしょう。これに対し、大気中での光化学反応によって生じる微粒子を中心とし、霧を伴わない光化学スモッグがあげられます。これは20世紀中頃から、ロサンゼルスなどで発生しました。前者のスモッグは、煤煙と硫黄酸化物を主体とし、黒色系で霧を伴うため「黒いスモッグ」とも呼ばれます。これに対し、後者は光化学オキシダントや硫黄酸化物を主体とし、白色系で霧を伴わないもので、「白いスモッグ」とも呼ばれています。

 

次にPM2.5に話を移します。PM2.5の”PM”とはpaarticulate matter(粒子状物質)の略で、空気中に浮かんでいる小さな粒子のことです。PM2.5とは、このうち粒径2.5μm(マイクロナノメートル。μmは1mmの1000分の1)以下の粒子のことを呼びます。粒子状物質(PM)は様々な生成プロセスを経たもので、単一の物質ではなく、種々の物質の混合体です。化学成分としては、無機物質、炭素、有機物質、金属成分、イオン成分等に分類されます。また、粒子状物質(PM)は発生のメカニズムから見て、「一次粒子」と「二次粒子」に分類されます。一次粒子とは、発生源から直接大気中へ放出されたもので、人為起源のものとして、工場や土木作業などからの粉じんや、ディーゼルエンジンや焼却などから発生する燃焼粒子(すす)、また、自然界から飛散する粒子として、土壌粒子や火山灰、花粉などがあります。二次粒子は、ガス状物質として大気中へ一旦放出されたものが化学変化をした結果として粒子になったものです。二次粒子の多くは粒径が小さく、PM2.5の範囲にあることが知られています。これらを踏まえると、PM2.5はスモッグを構成する要素でもあり、2.5μm以下の一次粒子と化学変化により生成した二次粒子と言えるでしょう。

 

 

Q2、PM2.5はどのようにして地上に落ちてくるのでしょうか?

 

A、PM2.5は主として、以下のようなメカニズムによって地表面に到達します。

 

PM2.5に限らず、大気中の物質が地表面に落ちる現象を「大気沈着」といいます。大気沈着の主な過程には、物質が雲や降水に取り込まれて地表面に落ちる「湿性沈着」と、物質が雲や降水を介さずに樹木や地表面に付着する「乾性沈着」とがあります。PM2.5の場合も、風下方向に移流しながら風の乱れによって水平及び鉛直方向にも拡散し、その間に雲や降水に取り込まれて地表面に落ちたり、風の乱れ等によって樹木や地表面に付着したりして、大気中から除去されます。

 

 

Q3、PM2.5は中国でしか発生しないの?

 

A、PM2.5はどこにでもあります。当然中国からくるものもあります。

 

まず、PM2.5の発生源は人為起源と自然起源の両方があり、一次粒子や二次粒子など様々なプロセスを経て生成されます。また、PM2.5はどこでも発生するものですが、中国から長距離運輸されてくる部分もかなりあります。従って、東京で測定したPM2.5が中国から輸送されたものか、どのような種類の発生源の影響を受けているかを特定することは非常に難しい問題です。現在の研究レベルとしては、PM2.5濃度の地域的分布や、時間変動を調べたり、気象条件を考慮して大気シミュレーション・モデルを用いて解析することで、寄与が大きい発生源の種類や地域などを推測できる程度です。日本におけるPM2.5の濃度は、国内の都市大気汚染ろ中国大陸からの越境大気汚染の複合によるものと考えられています。中国からの偏西風の風下にあたり、距離も比較的近い九州等の西日本では、中国からの越境汚染の影響が大きいことが、国立環境研究所のシミュレーションや長崎県福江市での観測結果などから実証されています。

 

 

近日中に第2回目の記事をアップします。

 

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